例えば、ナポレオンの死因は毒殺ではなかったかという説が少し前に浮上しました。「気は血の師、血は気の母」といわれる場合の血は血液、唾液、リンパ液などを含んでいますが、髪は血液細胞からできており、また血行の良し悪しが育毛剤を左右することからも健康な血液が髪にとって重要であることは確かです。毎日、200本もの髪が抜けるとか、抜け毛がみんな弱々しくなってからでは遅い7のです。つまり、小指を眉毛の上端にあて、中指が生え際に触れればまだ大丈夫で、人差し指だと危険信号というわけです。毛の根である毛包部分は、その毛が抜けた後でも消えてしまうわけではなく、やがてまた成長期を迎えて新しい毛を作り出します。毛乳頭は復活する力が弱くなり、以前のような活発さを失ってしまい、毛包もエネルギー不足で虚弱になり毛乳頭を抱き込む力を失くしてしまいます。男性ホルモンはその量が多いからハゲるのではなく、男性ホルモンを感受するレセプターがハゲと育毛の引き金となります。ナポレオンの墓から出てきた毛髪を分析した結果、多量の砒素が検出されたからです。五臓(肺臓、心臓、肝臓、脾臓、腎臓)六腑(大腸、小腸、胆、胃、三焦、膀胱)を中心にして、身体のあらゆる働きや作用がうまく機能しあっているというのが漢方的な考えです。でも、いったいどこからハゲだしたと定義するのでしょうか。眉を力いっぱい上に寄せるとシワができますが、シワが寄った範囲が額で、その上のほうにシワの寄らないツルっとした部分があれば、そこはすでに額と頭髪部の境界線を越えはじめている、危ないという見分け方です。それぞれの毛の成長→移行→休止→脱毛というヘアサイクルに従って毛母細胞を作り出している毛包は、成長期には細胞が満ちてふくらみ、休止期にはやせて収縮することを繰り返します。
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